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「さらに、アンディ・キム氏を右腕に持ち、トランプ氏に大きな外交政策上の成果を与えよう努力する一方で自分がやがて大統領になる見込みを損なうような結果を避けているポンペオ氏。もちろんこれは、われわれが今目の当たりにしているとおり、無謀な試みだが。

一方、国防省や情報機関は北朝鮮について懐疑的な、つまり現実的な見解を持つ傾向があり、可能な限り、自分たちの信念に従って動いている。アメリカの各制裁執行機関は、トランプ氏が表明している姿勢と一貫しているが、彼の北朝鮮政策には不利に働く形で職務を遂行している」

複数の勢力があるのを嬉々としてあおっている

話は中国になるとさらに複雑だ。少なくとも5人の異なる重要人物がいて、それぞれが政府の異なる部分を代表しているのである。一方の極には、スティーブン・ムニューシン財務長官がいる。同氏は貿易問題に関して中国との妥協点を見いだし、関税戦争を避ける傾向が非常に強いと見なされている人物だ。ウィルバー・ロス商務長官も重要人物の一人だったが、舞台から去る一歩手前であると見られている。

ホワイトハウス自体の内部には、極めて強い主張を持つ対中国強硬派のピーター・ナヴァロ貿易顧問、そして比較的ムニューシン氏の考えに近いが大統領に賛成意見を述べるように努めている経済顧問のラリー・クドロー氏がいる。中でも最も重要な人物は、米通商代表(USTR)のロバート・ライトハイザー氏だ。同氏は目立たないようにしているが、トランプ氏への影響力を大事にしていて、トランプ氏からも信頼を得ている。

上記からもわかるように、トランプ氏は、中国政策に関して複数の勢力が動いているという考えを、嬉々としてあおっているのである。

「トランプ大統領は、(習近平中国国家主席)との会談で、アメリカ政府にはさまざまな意見を持つさまざまな人がいるという事実に言及し、冗談まで言っていた」と、ムニューシン財務長官は記者団に語っている。「習国家主席はほほ笑んで、こう言った。『ええ、こちらも同じです』」。

習氏は明らかに自身の交渉責任者である劉鶴副首相のことを指している。劉氏は、技術官僚の教育を受け、現在の指導部内における市場形態改革の主唱者と言われる。劉氏はムニューシン氏と話すのを好み、同氏を通じて交渉を進めようとしていた。


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