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 文氏の公約では2年後に最低賃金は1万ウォンになるはずだ。ところが、今回決まった来年の額は8350ウォン。これを1万ウォンにするには、来年決定する賃上げ率を19・8%以上にしなければならない。文氏に言われるまでもなく、たとえ韓国経済が好調でも、実現が難しいことは分かる。

 最低賃金の決定に対し、文氏の支持層で文政権を誕生させた労働組合など左派系組織が「公約違反だ」と批判しており、文氏の謝罪は労組への釈明のようだ。

 しかし、批判勢力に理解を求めつつも、文氏は任期が終わる4年以内の公約実現はあきらめていない。「政府は最低賃金1万ウォンをできるだけ早期に実現できるよう最善を尽くす」とも断言した。

無理は分かっていた

 文氏がぶち上げた公約には、当初から財界や保守層の間で懐疑的な見方が支配的だった。文政権誕生の何年も前から韓国経済は低迷を続け、景気回復や雇用対策は急務の課題であり続けた。文氏としては、国民所得を上げることで内需を拡大し、韓国経済を活性化したいという思いのようだ。

 そんな文氏が描いたバラ色の経済ビジョンは、あまりにもポピュリズム(大衆迎合主義)に過ぎており、現実を無視したものとして財界など経済の専門家からは「無理な話だ」などと失笑を買っていた。しかし、韓国の有権者は文氏を大統領に選び、この1年余りの間、夢を託し続けた。労働界はその象徴的なものだ。



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