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 文氏は今回、こんなことも口にした。「最低賃金の引き上げ速度を維持するのに最重要なのは、今年と来年の賃金引き上げ幅に韓国経済が耐えることだ」

 大統領のこの発言に、韓国で少なくとも経済を分かっている者の間からは、「経済の現場を分かっていない」「やはり経済も素人だ」といったため息混じりの失笑が起きている。

「日本よりも高賃金」

 公約の完全実現は難しいものの、最低賃金の2年連続引き上げは韓国の企業、特に中小企業や自営業者を一層圧迫している。昨年決定した今年の大幅賃上げで、すでに中小企業は人件費増加に悩まされている。

 洪鍾学(ホン・ジュンハク)中小ベンチャー企業相は16日に企業経営者との懇談会を開いたが、この場で「平均営業利益率3?5%の中小製造業に最低賃金を毎年10%以上引き上げろというのは、事業をやめろというのも同然」(自動車部品製造業者)といった批判が続出したという。「担当閣僚が現実を理解するよう3カ月間、中小企業の劣悪な環境で働いてみてはどうか」との不満も出た。

 韓国紙が企業経営者の声として報じたところでは、韓国の週休手当を含む最低賃金はすでに日本を超え、来年には日本との差がさらに1000ウォン(約100円)以上開くという。人件費の上昇で韓国の企業競争力が落ちることへの懸念は広がっている。



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