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山村:並の中には天才も秀才もいない。天才も秀才もそれがいい方向として社会に受け入れられたからもてはやされるのであって、それが社会にとって都合の悪い部分だけ切り取られると下に行くんです。

自分は普通じゃない、並じゃないけど、その分並の人よりも上に行ける可能性がある。そう思えば並じゃないことも、そんなに悪くないなと思うんです。普通じゃないことで悩んでいましたが、普通じゃないということは、下に行く可能性もあるけど、上に行ける可能性も普通の人よりは高いんです。そしたら後は、普通よりも上にいくことを何かしら努力すればいいじゃないかって、ちょっと開き直りました。

自ら社会の受け皿を作っていくべき

光武:そうだね。僕は個性が強すぎると言われるけど、「普通」とされる方も個性はあるんですよね。その中に常識というものでくくられる側面があり、ちょっと受け入れられにくいような部分を認められた人が発達障害者だと僕は思っているんです。

天才とくくられた人たちは、その部分を認めてもらいつつ、認めてもらえる環境を自分で作ろうとした人だと思う。環境を変えたとか、自分がそこにピタッと当てはまるところをたまたま見つけることができて、それがたまたま天才というふうに形容されたケースもある。

でも、それが見つからなかった場合は、さっき山村さんが言ったように下の下として外れたものとしてカテゴライズされることがある。だから、僕の中では社会が受け皿を作るというより、もっと主体的に「自分の特性はこうだ」と示して、自分で作っていくものかなと思う。その中で受け入れられるためには「お互いこういう努力をしましょう」と交渉をしますし、その上で相手が望むパフォーマンス以上のものを提示すれば、リターンは確実に来ますから。そうやって自分の場所を僕は守っているつもりです。たとえば僕の場合、予備校の業務の〆切は守れないし遅刻も多いけど、授業アンケートの満足度は高いぞ、と(笑)。

一同:(笑)

光武:予備校側としては頭を抱えるわけです。でも、ここはできないけどここは評価できる。だから、授業アンケートで生徒からの声が聞こえなくなるようだったら契約を切ってもらってかまいません、迷惑をかけてしまう点と、リターンできるものを考慮したうえで契約をお願いします、という形です。

吉田:メリットがあれば受け入れてもらえますから。

光武:そうです。だから僕、Win-Winという言葉を考えた人、好きだな。絶対サイコパスだと思う(笑)。

一同:(笑)

山村:言い方によっては自分にいいことをしてもらうために、相手にもいいことをしなさいという。


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