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3. 強みとエピソードがズレ続ける「こじらせ系ES」

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「私は常に知的好奇心に満ちあふれています。そのため研究室では、教授が勧める研究テーマだけでなく、つねに新しいテーマに挑戦し続けてきました。講演会や学会資料、海外の文献まで見識を広げ全員に共有。その結果、ゼミ生全員の知識を深めることに成功し、学内の研究発表会で優勝しました。」

「リーダーシップ」や「行動力」「論理的思考力」など、「就活マニュアルに書かれているような強み」を自分の強みとしてアピールする学生が多いです。しかし、その強みを裏付けるエピソードが、強みの説明になっていないケースがあります。上記は、自分の強みとして「好奇心」を挙げている例です。

このエピソードならば、さまざまな文献を集めた「情報収集力」や、自ら新しいテーマを見つけて挑戦する「向上心」を、強みとして挙げたほうがいいと思います。強みを勘違いしていたり、エピソードとズレてしまったりするケースが多く見受けられます。

「強み」の列挙だけでは説得力に欠ける

また、こうしたクセのある人は、1枚のESの中に、こうした「ズレ」を連発しまう傾向もあります。特徴と、その根拠になった“つもりのエピソード”が次々と繰り出されているけれど、複数の強みと複数のエピソードがもつれにもつれて重症化してしまう……。こうなってしまうと、修正もかなり難しくなってしまいます。

せっかく興味を持って物事に取り組んだ経験があるならば、その中で自分が何を発揮したのかを掘り下げていくと、より具体的な「強み」が表現できると思います。

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「私には能力や意欲を高めるために挑戦し続けたいという「向上心」があります。そのため研究室では、教授が勧める研究テーマだけでなく、つねに新しいテーマに挑戦し続けてきました。講演会や学会資料、海外の文献まで見識を広げ全員に共有。その結果、ゼミ生全員の知識を深めることに成功し、学内の研究発表会で優勝しました。」

また、最近、自分をよく知る友人、知人に自分の強みを聞く、「他己分析」が推奨されていますが、それが「強み」と「エピソード」のズレにつながっている場合もあります。

他己分析をより有益なものにするには、「なぜ、そう思うのか」まで具体的に教えてもらうことが大切です。もし、「あなたはリーダーシップがある」と言われたら、「リーダーシップがあると思ったシーンは具体的にいつのどんなエピソードだったか?」まで掘り下げて聞くといいでしょう。また、できれば複数の人に聞いてみて、最も多かった意見を取り入れると、よりあなたらしいリアルな自己アピールにつながります。


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