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ES改善の過程で自己分析が深まり、内定につながった事例を1つ、ご紹介しましょう。

Aさんは、大学入学以来ずっと学業に打ち込んできた、成績優秀な女子学生です。しかし、人と関わるのが苦手で自分に自信がなく、「自分の取り柄は勉強だけ」と思い込んでいました。

彼女のESを見ると、すべての項目のエピソードが「勉強」にまつわるものでした。「どれだけ勉強に打ち込んできたのか」「論文を完成させるためにどうがんばったのか」が書かれていました。もちろん、勉強に打ち込むのはすばらしいことで、強みやエピソードにしていいのですが、念のため、他に打ち込んだもの、積極的に取り組んだものはないかと詳しく聞いてみると、「文房具店でのアルバイト経験」を話してくれました。

エピソードを掘り下げ具体的な話にする

その文房具店では、アルバイトが集客イベントを企画・運営していて、Aさんもイベントを自ら企画し、十数人の新規集客につなげていました。

予算内に収めるため、安い材料を探して仕入れたり、他のスタッフと一緒にPOPを作って告知したり、自分が仕切り役になって当日参加者をサポートしたりする、などといった経験をしていました。

このエピソードからは、「予算内で集客を増やす」という課題を乗り越える「課題解決力」、周りと協働する「巻き込み力」がリアルに伝わります。また「十数人の新規集客」という結果も出しています。「勉強だけでなく、この経験もアピールしては?」と勧めました。

始めは「小さなお店だし、新規集客といっても十数人だし…こんなエピソードでいいんでしょうか?」という反応でしたが、このアルバイト経験を軸にESを書き換えたところ、Aさんの強みがより的確に伝わるようになり、その結果、書類選考通過率も上がっていきました。

それまでは「人と接するのが苦手」という意識で、「内勤の事務」を志望していましたが、ESを書き換える過程で「課題を見つけ、解決策を考えるのが得意」「チームで1つのものを作り上げるのが好き」という、自身の志向も発見することもできたのです。志望職種をシステムエンジニアに切り替え、見事志望企業の内定を獲得しました。

Aさんのように、「こんなささいなこと」と思い込んでいることでも、アピール材料になるケースはあります。どんなに小さなことでもいいから、他人と比べず、今までがんばってきたこと、力を注ぎやり切ったことを思い出してみてください。そして、なぜそれに打ち込んだのか、どんな努力や工夫をしたのか、そしてそこから何を得たのかという「プロセス」を整理してみましょう。


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