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先ほどから、私は日本を「輸出小国」と表現していますが、もしかしたらその言葉に違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、日本は輸出総額が世界第4位なので、この順位だけを見ると輸出大国のように見えるかもしれません。

しかし、その輸出総額は、第3位であるドイツの約半分です。ドイツの人口は日本の約3分の2しかないことを考えれば、日本の輸出が決して多くないのは明白です。

事実、対GDPの輸出額の比率では日本は世界で117位ですし、人口1人当たりで見ると世界44位です。つまり、日本は紛れもなく輸出小国なのです。

日本の潜在能力を考えれば、輸出を増やす余地はまだまだあり余っていると言ってもいいと思います。輸出小国にとどまっているべきではないのです。

よくある「反論」には根拠がない

私がこの話をすると、たまに「日本は海外の工場で生産しているから、データに現れているより実質の輸出額は多い」と指摘を受けることがありますが、それを考慮しても、日本が輸出小国である事実は覆されません。

また、「そもそも経済大国は、輸出額の対GDP比率が低いものだ」という反論もよくされますが、これも的外れな意見です。先進国の中で1人当たり輸出額が日本より低いのは、アメリカだけです(生産性が極めて高いアメリカと単純比較するのは難しいのですが)。

世界全体では、GDPに対する輸出総額は約41%です。アメリカ以外の大半の国は輸出比率が高くなっている証拠です。資源国が全体の輸出比率を高くしていると言う人もいますが、それも違います。資源に恵まれていないにもかかわらず、輸出比率が高い国もたくさんあります。


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